空回り

 

ぐちゃぐちゃに腹の中をかき回されて気持ちがいいなんて馬鹿げている。

だって多分それは内臓を触られていると言うことで、本来なら体を傷つけられるという事だろう?

なのにこの体はその暴力を快楽としか受け取らない。

 

ああ、気持ちが悪い。

 

臓器を掻き分けて奥へ奥へと入ってくるこの男だって気持ち悪いだろうに。

だって直に触るんだぞ?

人間の腸を。

うぇ。

想像しただけで気持ちが悪い。

それともこの男は平気なんだろうか?

ああ、マッドだしな。

僕には到底理解できないが気持ちいいのかもしれない。

だって初めて僕を犯したあの昼下がりの時だってひどく楽しそうにしていた。

涙や汗や唾液やこの男の吐き出した精液を塗りたくられてとても見れたようなもんじゃない顔をキレイだと言った男だ。

普段の僕がキレイだと言うことを否定はしない(いやむしろ肯定しよう)が、流石にそんな顔はキレイじゃないはずだ。

あるはずがない。

言いたくないがそんな事態が起こる前に食べた昼食だって戻してしまったし。

そんな姿誰にも見せたくなかったのに。

だってキレイでいたいんだ。

僕はエクソシストじゃなくて身体も貧弱で背だって低いし童顔だしちっとも日に焼けなくて白くて到底男としての美的水準を満たしているとはいいがたい。

だから努力して努力してせめて知能面で役立つようにと科学班に入ったけれど、それだってこの男の前じゃ塵芥に等しい。いわゆる天才なのだ。この男は。勿論、努力していることだって知っているが、圧倒的な才能の差があるんだ。

だからせめてキレイでいたい。

子供の頃から誉められたのはこの顔くらいだ。

女みたいな細面の顔と薄い色合いはいつだって人形みたいだと感嘆された。

それくらいしか僕には無いんだ。

だから僕はキレイでいたい。

お前の前では特に。

なんでも持っているお前に、せめて少しくらいは価値を認めてもらいたい。

視線一つ向けられないようになったらと思うとぞっとする。

だから僕は人形のように顔を強張らせて揺らされるままでいる。

キレイな顔のまま。

なのにお前は僕に泣けという。

あの日のように泣き喚けというんだ。

やっぱりお前はどこかおかしい。

 

それとも惨めな僕の姿を見て笑いたいのか?

 

キレイでいたい。

 

価値を認めて欲しい。

捨てないで欲しい。

僕を見ていて欲しい。

 

お前には、特に。

 

だから一番キレイな姿でいたいんだ。

 

 

 

 

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コムイのと対になったバクちゃんの独白

……噛み合ってない人達ですね。

バクちゃんは実はコンプレックスの塊だから、普段虚勢を張っています。

だからコムイは羨望の的。自分より背高いし天才だしで(笑)

コムイに捨てられたくなくて必死です。(コムイが捨てることなんて無いんだけどねー。あいつは地獄の底まで君を連れて行く気だよ)

犯されたことはショックでしたが大して怨んでも無いですしMなんで。

コムイはSです!!

SとMで相性ばっちし!!ワオ!!やったね!!

……ごめんなさい、許してください。

出来心なんですー!!(脱兎)